この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
ドル円がどんどんと上昇をしています。
ほんの3年前は110円あたりだったものが、いまや150円と40%近い上昇をみせました。
3年前に米国株投資をした人にとっては、ありがたい追い風となりました。
結構動いたなー、と思うものの、ふと下がった時にどうなるのかな?と考えます。
150円だったものが110円になったら影響は大きいです。
この為替の動きをなんとかできないものか?
ということで為替ヘッジについて今回は調べてみることにしました。
為替ヘッジとは通貨の変動の影響を回避するための方法です。
仕組みはやや複雑で、使い所や、注意点もあり活用には知識が必要です。
中途半端に手を出すとリスクの上塗りになり、思わぬ損を出す可能性だってあります。
ですが、活用できるようになれば投資家としての幅が広がると思います。
為替ヘッジとはどんな方法なのか?どんな注意点があるのか?
ということで解説していきたいと思います。
- 為替が気になる人
- 為替ヘッジについて知りたい人
- 米国株投資をしている人
為替ヘッジ一覧
【為替ヘッジ一覧】(右にスクロールします)
種類 | 為替予約 | 為替ヘッジありの商品 | FX | オプション取引(FX) | ドルと相関する商品でのヘッジ | ドルを借りて投資する |
やり方 | 将来の為替レートを先に決めておく | ETFや投資信託にヘッジをしてもらう | 保有資産に対して反対売買 | 保有資産に対して反対のポジション | ドルと逆相関の商品を保有 | ドルを借りて、ドル資産を買う |
商品 | 外貨定期預金 | 為替ヘッジありETF、為替ヘッジあり投資信託 | FX | FXのオプション | ・ゴールド、米国債券、日本株など | 信用取引、銀行での借入、債券の発行 |
メリット | ・先に金額が確定する ・将来の為替の変動を受けない | 簡単。為替ヘッジあり商品を選ぶだけでできる。 | ・少ない金額で大きいヘッジができる。 ・満期がなく自分のタイミングで売買できる。 | ・少ない額で大きいヘッジができる ・組合せで戦略の幅が広い | ・様々な商品がある ・場合によっては両方で利益 | 元本は為替の変動を受けない。 損益には為替が影響する。 |
デメリット | ・金利差を考慮して受渡額が決定される。現状、金利差がコスト。 ・満期がある。 ・主に外貨預金が対象。 | ・現状、金利差がコストに影響。 ・ヘッジの自由な変更ができない。(スイッチングができる場合もある。) | ・現状、金利差がコスト。 ・保有資産の価格変動により、必要ヘッジ額が変動。 ・追証、ロスカットになる可能性。 ・利益に税金がかかる。 | ・現状、金利差がコストに影響。 ・満期がある。 ・最小単位が10,000通貨と大きい。 ・ドル円とオプションの連動はピッタリではない。 | ・相関が崩れる場合がある ・幅広い知識が必要 ・場合によっては両方で損をする ・商品を買う資金がいる | ・利息の支払いがある ・損失部分に為替の影響を受ける。 ・利益部分に為替の影響を受ける ・税制上は為替の影響がある ・為替の完全なヘッジではない |
税金 | 通常、外貨預金の為替差益は雑所得だが、 為替予約の場合は利息、為替差益を含め源泉になる。 | 特定口座が利用できる。 特定口座の場合: 源泉分離課税 特定口座を使わない場合: 申告分離課税 | 利益: 先物取引きに関わる雑所得 通算: 株との損益通算はできない。FXとの合算ができる。 課税: 申告分離課税 (海外証券会社は異なる) | 利益: 先物取引きに関わる雑所得 通算: 株との損益通算はできない。FXとの合算ができる。 課税: 申告分離課税 (海外証券会社は異なる) | 商品による | 信用取引: 特定口座なら源泉徴収 銀行借入: 通常の取引 借入利息は費用 |
米株のヘッジ | 基本となる為替ヘッジ。 個人では外貨預金が主で米株投資では使えない。 | 簡単にできる。 個別株は扱えない。 長期は、ヘッジコストが心配。 スイッチングのある商品もある。 | 現状、金利差はコスト。 簡単にできる。使いやすい。 シンプル。 為替ヘッジに使い易い。 株価の変動で必要ヘッジ額が変わる。 | 現状、金利差はコスト。 仕組みが慣れるのに難しい。 満期がある分、自由度は低い。 組合せで色々な戦略がある。 中・上級者向け。 | 幅広い知識が必要。 うまくヘッジできるかわからない。 上級者向け。 | 借入分リスクは大きい。 購入銘柄自体の変動の影響が大きい。 価格変動で大きく上昇を取っていきたい時に有効。 ヘッジ効果はそこまで大きくない。 |
提供 | ソニー銀行 https://moneykit.net など一部銀行 | SBI証券 https://www.sbisec.co.jp など証券会社 | DMM FX 【PR】DMM.com証券のFX取引サービス【DMM FX】 などFX業者 ![]() | サクソバンク証券 https://www.home.saxo/ja-jp 国内ではここぐらい | 商品による | 信用取引など |
ということで為替ヘッジはどんなものがあるのか?
調べた内容を一覧にしてみました。
為替ヘッジにはいろいろな方法があり、それぞれでメリット、デメリットがあります。
何のリスクもなくできる方法はなく、扱いにはよく特性を理解する必要があります。
では為替ヘッジとはどういう仕組みになっているのか?
基本的なところから解説して行きたいと思います。
為替ヘッジとは、為替によって通貨価値が変動することを回避するためのものです。
例えば、米国株などドル建ての資産を保有していたとします。
ドルベースでは価格の変動がなかったとしても、ドルに対して円の価値が下がってしまうことがあれば、円換算での評価額は下がってしまいます。
つまり価格の変動がなくても、為替によって評価額が変わってしまうということです。
そういった為替による変動を避けることが為替ヘッジの目的です。
また、為替ヘッジと言っても、完全に為替の影響を受けなくなるわけではありません。方法にもよりその効果は変わります。
為替ヘッジにもさまざまな方法はありますが、まずは為替ヘッジの基本である為替予約について解説したいと思います。
そうすることで為替ヘッジがどのようなものか理解するのに参考になります。
ズバリ、これを学んで何がわかるかというと、、、
- 金利差が与える影響は大きい
ということがわかると思います。
金利差とは、ヘッジする国の金利ともう一方の国の金利の差のことです。(短期の政策金利)
為替ヘッジの仕組みを見ていくと、だんだんこのことがわかってくると思います。
ではどんな仕組みなのか早速見ていきましょう。
為替予約とは、将来の外国通貨の交換レートを、今時点であらかじめ決めておく契約です。
一般的に頭に浮かぶ為替ヘッジのイメージのものですね。
企業では売上など企業活動のため、個人では外貨定期を利用する時などに利用されることが多いと思います。
ここでは個人が外貨定期をする場合について解説します。
- ドル建て外貨定期貯金を1年満期で契約した場合
満期時にドルを円に変えるので、為替レートが申込時と変わっていると影響があります。
この場合、円をまずドルに変える→外貨定期にする→満期になる→円に戻すといった流れです。
ですが為替予約を契約時に申し込むことで、満期時にはあらかじめ決めたレートでドルから円に換えることができます。

将来に今のレートで換えたいから、今のレートでいいのでは?と思うかもしれませんがそうではありません。
わかりやすく説明するために、ものすごく簡単に説明すると金利差を考慮して決められます。
為替予約は、イメージとして銀行は通貨をその期間中交換するのに似た取引をしています。
通貨同士の金利が同じならば問題はないのですが、片方が金利が高くて、片方が低い場合がほとんどだと思います。
そうすると、高金利側の通貨からすれば、金利が低い通貨に交換している間、本来受け取れた金利が受け取れなくなります。
その分を補填しないとフェアではありません。
ですのでその分を調整したレートで交換レートが計算されます。
また、高金利通貨を低金利通貨に交換する場合は、先ほどとは逆で金利分をもらえる形で調整されます。

(上図を含め、あくまで簡易的に説明しています、他にも要因はあります)
では実際に次のようなパターンを見ていきましょう。
Aさんは外貨定期預金をすることに決めました。
- 米国では金利が4%、日本では金利が0.5%しかない (金利はあくまで例としてです、実際とは異なります)
ということで10,000ドルの外貨定期預金を1年することにしました。
ですが為替の変動が不安だったAさんは為替予約をつけて、為替をヘッジすることにしました。
ー1年後
無事満期を迎えて1万ドルと利息を受け取りました。
為替の変動を受けずに取り決めた交換レートで換金することが出来ました。
ですがAさん、なんだか金利がそんなについていないように感じました。
計算してみると0.5%しか増えていません。
為替ヘッジコストがかかったために、リターンはほとんど日本円の金利と同じになっていました。
細かい計算がありますが、簡素化した話のイメージ図をみていきましょう。
【為替ヘッジをした場合、ドルから見た図】

ドルベースで見た取引の流れです。
一見すると為替ヘッジなしと違いがないように見えます。
ヘッジありもなしも同じ利息で金額も同じです。
ですが円から見るとどうでしょうか。
【為替ヘッジした場合、円から見た図】

円換算で見た取引の流れです。
円換算で見てみるとだいぶ見え方が変わりました。
こうしてみると実質的に金利は0.5%でした。
これは為替予約のレートが142.17円と、低く設定されることに起因します。
この図では為替ヘッジをつけることで、ほぼ金利差分のメリットはなくなっていることがわかります。
海外の方が利率が高いからと、海外の定期をする人もいると思います。
ですが、為替ヘッジをつけると、金利差分がコストとして影響する可能性があります。
高金利は為替ヘッジで調整され、結局は国内金利並みの利回りになった、なんてことになりかねません。
ヘッジの方法にもよりますが、2国間の金利差が大きく開いている時ほど影響は大きく、狭い時ほど影響は小さいです。
現状、日米の金利差は米国が高く、日本が低い為、こような為替ヘッジをする場合に金利差がコストとして影響します。
ですが、もし金利差が逆転した場合はどうでしょうか?
その場合は、逆の効果があります。
金利差が利益となってプラスとして影響するようになります。
ということで基本的な為替ヘッジについてみてきました。
なんとなく仕組みが掴めたでしょうか?
次は具体的に為替ヘッジにはどんなものがあるかを見ていきたいと思います
為替ヘッジには様々な方法があり、簡単なものから難易度の高いものもあります。
それぞれメリットデメリットがあり、基本的にはリスクやコストのかからない為替ヘッジ方法というのはありません。
ではそれぞれのヘッジ方法について見ていきましょう。

ヘッジ方法 | 為替予約 |
代表的な商品 | 外貨定期貯金 |
コスト | 金利差がプラスなら利益、マイナスなら損失 2国間の金利差が主な要因 |
取引金額 | 自由 |
米株投資でのヘッジ | 外貨定期のヘッジ用。米国株投資のヘッジには使えない。 |
提供 | ソニー銀行 https://moneykit.net など一部銀行 |
先ほど説明した方法です。詳細は省きます。
一般的な個人の用途として外貨定期預金の為替ヘッジに用いられることが多いです。
個人が単純に為替予約だけをすることは通常やっていないようです。
使い方としては、外貨定期を申し込む際に為替ヘッジを選択することができます。
為替ヘッジを付けると、満期時に最初に契約した為替で満期を迎えることができます。
米国株投資のヘッジとしては使えません。主には外貨定期に利用されるものです。

代表的な商品 | 為替ヘッジ付きETF、為替ヘッジ付き投資信託 |
為替ヘッジ方法 | ETF、投資信託の方でヘッジをしてくれる |
コスト | 基本的には2国間の金利差、対象商品にもよる |
取引金額 | 商品による |
米国株投資でのヘッジ | 為替ヘッジ付きの米国株のETF、投資信託を選ぶことで可能 |
提供 | SBI証券 https://www.sbisec.co.jp など証券会社 |
投資信託やETFには為替ヘッジがついている商品もあります。
証券会社で普通に取り扱いがあります。
最初から為替ヘッジのある商品を選ぶだけで為替ヘッジができます。
ただし為替ヘッジをつけるとコストが掛かってパフォーマンスに影響を与える可能性があるので注意が必要です。
どうしてコストがかかるのか?
その理由は、ETFや投資信託の為替ヘッジの仕方にもよると思いますが、基本的には前述の為替予約などの仕組みを使ってヘッジをしていいるからです。
つまり2国間の金利差が影響してきます。
為替予約同様に、ヘッジ期間中はそういった金利差の影響があります。もちろん他にも手数料などあると思いますが。
詳しくはそれぞれどういう仕組みになっているかを確認する必要があります。
変更はできません。変更するには一旦売却して別の商品に買い直す必要があります。
その場合、売買手数料などがかかってしまいます。
ですが、投資信託にはスイッチングという便利な方法が使える場合もあります。
スイッチングとは今ある投資信託を売却し新い投資信託の買付を同時に行う方法です。
その場合、普通に売却して買い付けるよりも手数料が低かったり、無料のところもあります。
スイッチングでは新しく買い付ける投資信託は、金融機関が指定しているものの中から選ぶことが多く、なんでもいいというわけではないです。
ヘッジ付き商品を選択するだけで手間なく簡単にヘッジをすることができます。
手間なくヘッジをつけたい人にはいい方法です。
ただ、個別株では利用できません。
注意点としては、商品の特性上、長期投資で考える人が多いかもしれません。
長期投資の場合には、毎年為替コストがかかっていった場合に、パフォーマンスに与える影響が大きくなる可能性があります。
どれくらいのコストがかかるかもしれないのか?は理解しておいた方が良いと思います。

代表的な商品 | FX |
為替ヘッジ方法 | 保有資産に対して反対売買を行う |
コスト | 2国間金利差、スプレッド |
取引金額 | 1,000通貨単位が多い、証券会社による |
米国株投資でのヘッジ | 米国株の保有額に対して反対売買でヘッジ |
提供 | DMM FX【PR】初心者も安心のサポート充実【DMM FX】![]() |
FXとは外貨証拠金取引です。
つまり通貨自体の売買をレバレッジをかけてできる取引です。
例えば、100,000円の証拠金を出して、1,000,000円分のポジション建たりと、何倍もの額を取引できます。
これで外貨資産に対して反対に動くポジションを持つことで為替ヘッジができます。
具体的には円高でドルの価値が目減りするのを回避したい場合は、FXでドル売りをします。
そうすると、ドルが下がると下がった分の利益がFXででます。
またFXにはスワップポイントと呼ばれるものが毎日発生します。
これは簡単にいうと2国間の金利差分があった場合に、その差額を払ったり、受け取ったりするものです。
FXでも他のヘッジ同様に金利差分の影響があるということです。

- 他のヘッジに比べ自由度は格段に高いです。
- 満期はないので、売買はいつでも好きな時にできます。為替が動きそうだと思えば、その時に買えますし、その時に売ることができます。
- レバレッジを使えるので少ない資金で大きい額のヘッジができるのもありがたいです。
- レバレッジが大きいと必要な証拠金の余裕が小さく、値動きに余裕を持たせることができなくなります。
- うまくヘッジができてFXで利益が出ても税金がかかる
- 株価の変動により必要なヘッジ額が変動する
大きいレバレッジにより余裕がない
大きいレバレッジを使った場合は、逆の方向に動くと損失がすぐに大きくなります。追証やロスカットになる可能性があり注意が必要です。
利益に税金がかかる
うまくヘッジができて外貨資産が目減りした分、為替で利益が出たとします。
当然ですが、利益を確定すると税金がかかります。FXは申告分離課税により20.315%の税金の対象です。(海外証券会社の場合は総合課税)
株でマイナスで、FXがプラスだからプラスマイナスゼロ?というわけにはいかないのです。
株の損とFXの利益は相殺できません。
ですので、FXの利益は2割近く目減りしてしまうということです。(他にも、所得にも関係してくる可能性があります)
株価変動によりヘッジ必要額が変わる
米国株自体の価格が変動します。
米国株自体の価格が動くので、最初に設定していたヘッジの金額と乖離ができます。
例えば、株価10,000ドル分をヘッジしようと思って、FXで10,000ドル分をヘッジしたとします。
株価が好調で10,000ドルから上昇して15,000ドルになるとします。
一方でFXは10,000ドルのままなので、5,000ドル分ヘッジが足りなくなります。
また、逆に株価が不調で5,000ドルになってしまえば、5,000ドル分のヘッジが余分になります。

代表的な商品 | FXのオプション取引 |
為替ヘッジ方法 | 保有資産に対して、コールの売りポジション |
コスト | オプションのプレミアム(2国間の金利差が主な要因) |
取引金額 | 10,000通貨単位 |
米国株投資でのヘッジ | 米国株の保有資産に対して、コール売りを使うことでヘッジ |
提供 | サクソバンク https://www.home.saxo/ja-jp 国内ではここぐらい |
FXを使ったオプション取引です。
オプション取引は買う権利、売る権利の売買ができます。
例えば、売る権利を買っておくことで、後で下がったとしても権利価格で売ることができます。
これを米国株の為替ヘッジに応用すると、次のようなことができます。
米国株を保有しているときに、ドルが安くなると円での評価額が下がります。
その為、オプションで、ドルを売る権利を買っておきます。
ドルが下がっても、以前の値段でドルを売ることができるので、その分が利益になるということです。
ですので、売る権利を買うことは、下落に対するヘッジとしての効果があります。
- 満期があること
- 少ない金額で大きいヘッジができる
- FXのようなスワップは発生しない
- スワップは発生しないが、その分プレミアムの価格に影響する
- オプションを組み合わせることで、できる戦略の幅が広い
満期がある
満期がありますので、期間内までしかヘッジはできません。
また、オプションの内容によっては満期時に自動で執行される場合もあります。
その場合、いつのまにか通貨を買っていたということもあるかもしれません。
オプションの期限、内容については注意しておきましょう。
少ない額で大きいヘッジ
FX同様に少ない金額で大きいヘッジを作ることが出来ます。
売る権利を買う場合は、その権利を買うのに必要なプレミアム代を支払うことでヘッジを作れます。
プレミアム代だけならヘッジ額に比べてずっと少ない価格ですみます。
スワップがない
FXのスワップのように支払いや受け取りが発生することはありません。
スワップはないがプレミアムに反映
スワップは発生しませんが、それを加味した価格設定になってきます。
ということで、ここでも2国間の金利差が影響してきます。
オプションの組合せで戦略の幅が広がる
オプションは組み合わせの方法でさまざまな戦略を取ることが出来ます。
どこの損失を限定する代わりに、どこの利益を諦めるといった応用がききます。
扱いは中・上級者向けです。
オプション取引を使うことでヘッジをすることは可能です。
少ない金額で大きいヘッジが出来ます。
FX同様に株価の変動による必要なヘッジ額の変化にはついてはいけません。
ここら辺はFXと同じです。
FXと違うのは満期があることです。期間内でのみヘッジが可能です。
また、オプションの組み合わせによってさまざまな戦略を取ることが出来ます。
自由度の面では通常のFXの方がいつでも売買できる分、自由度が高いです。
一方で、オプション取引は組み合わせによって、損失を限定したり、さまざまな戦略を取ることが出来ます。
オプションを組み合わせた戦略は少し難易度が高くなり、中・上級者向けです。
ですが利用できると戦略の幅が広がると思います。
国内ではサクソバンク証券が取り扱いをしています。
他の証券会社ではバイナリーはあるものの、こういった形でのオプション取引は扱っていないようです。

ドルを借りて、借りたドルで投資をすればどうでしょうか?
借りたドル分は、そのドルを使って返すので元本部分に変動はありません。
損が出た場合、補填するために円をドルに変えて損失分を埋め合わせます。この時、為替の影響を受けます。
益が出た時、元本はそのまま返済できるので、益部分だけが最終的に残ります。この時、為替の影響を受けます。
ということで損益部分に限定して為替の影響を受けるということになります。
ただ注意が必要なのは税制上の問題です。
上記の説明のように、現実の取引では元本には何の変化もありません。
ですが税制上はドル借入時の借入額を、その時の為替レートので円換算評価します。
返済時は返済時の為替レートで円換算評価されるので、同じ金額を返済しても為替差損益が発生し、為替益があれば税金がかかってきます。
これはプラスにもマイナスにも作用する部分でもあります。
完全なヘッジができるものではありません。
あと借り入れ利息がかかってきます。
現状、ドルを借りれば高い金利がかかってきます。
上記で考えると、信用取引も借入で運用するのと同じ効果が考えられます。
利用には株や現金が担保で必要です。税制上の問題やリスクが大きくなりすぎないように注意が必要です。
ある資産が動いたときに、反対の動きをする商品といものがあります。逆に全く同じ動きをするものもあります。
その動きの関係を相関と言います。
この関係を利用して、ドル円と逆の動きをする資産を組み入れることでヘッジを狙う方法です。
例えば、ドルとゴールドです。ドルが弱い時にゴールドが強くなる傾向があることが知られています。
ドル資産とゴールドを持つことによって、ドルの下落をゴールドの値上がりがカバーしてくれるかもしれません。
これはピッタリとそう動くというものではありませんし、相関が崩れる時もあります。
これ以外にもさまざまに相関関係にある商品があります。
商品についての深い知識や株以外の幅広い知識など、利用には専門的な知識が必要です。
長期投資でポートフォリオの分散を考えて使われるのが多いのではないでしょうか。

ということで為替ヘッジの方法を見ていきました。
ここで為替ヘッジのメリット、デメリットについて少し整理してみます。
- 通貨の変動による影響を回避すること(損を限定できる)
- 為替の損を抑えられる(安心して為替を見ていられる)
- 為替の影響を抑えることで資産の変動を抑えられる(精神的に安定)
- 株の動きに集中できる(本来の目的に集中)
- コストがかかる。金利差に起因することが多い(パフォーマンスが悪くなる可能性)
- 為替の利益を諦める(損がない代わりに益もない)
- うまくいくとは限らない、リスクもある(完璧なヘッジはない)
- やり方によっては複雑、手間もかかる(面倒くさい)
為替ヘッジをすることで、為替による損失が回避できます。
一方で、リスクのない為替ヘッジはありません。
それぞれメリットがある一方で、それなりのデメリットもあります。
うまく使えば安定した投資運用に役立ちます。
ですが、それだけのメリットが本当にあるのかは考えて用いる必要があります。
安易に用いると、気づかずリスクの上乗せになっているかもしれません。
なかなか複雑な為替ヘッジですが、ではどういった点に気をつけるべきか?どういうやり方がいいのか?個人的な考えを今後の記事でまとめてみたいと思います!
ということで今回は為替ヘッジの種類について調べてみました。
当記事は個人的に情報をまとめた投資研究記事です。内容は正確なものを心がけて作成していますが、その内容を保証するものではありません。また当記事は投資を勧めるものでもありません。情報提供を目的にしています。投資判断についてはご自身で調べた内容をもとにご判断ください。当記事内容をもとに投資判断されませんようにお願いいたします。税制などは個々の事情で異なる場合や、税制の変更もある為、ご自身でご確認ください。万一、当記事をもとに損害を被ったとしても当方では一切の責任を負うものではありません。
