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米国現地時間の2024年9月5日午後5時(東部標準時)、サムサラ(ティッカーシンボル:IOT)の決算説明会が行われました。
前回決算ミスのあったサムサラですが、今回の決算はどうだったのか?
結論から言うと、素晴らしい決算でした。
決算数字はどれもアナリス予想を上まわりました。
マクロ経済の悪化が懸念もされましたが、高い成長が継続しています。
新しい商品であるアセットタグの話もあり、今後が期待される決算発表でした。
では今期の決算内容はどうだったのか?詳しく見ていきたいと思います。
当記事は個人的に情報をまとめた銘柄研究記事です。内容は正確なものを心がけて作成していますが、その内容を保証するものではありません。また当記事は当該銘柄への投資を勧めるものでもありません。投資判断についてはご自身で調べた内容をもとにご判断ください。当記事内容をもとに投資判断されませんようにお願いいたします。万一、当記事をもとに損害を被ったとしても当方では一切の責任を負うものではありません。

売上高・EPS
- ⭕️EPS予想1セントに対して、結果5セント。前年同期は1セントでした。
- ⭕️売上高予想2.89億ドルに対して、結果3.00億ドル。前年同期比36.92%増。
次期・年間ガイダンス
- ⭕️次四半期EPS予想3セントに対し、新ガイダンス3〜4セント。
- ⭕️次四半期売上高予想3.09億ドルに対し、新ガイダンス3.09〜3.11億ドル。
- ⭕️年間EPS予想13セントに対し、新ガイダンス16〜18セント。
- ⭕️年間売上高予想12.1億ドルに対し、新ガイダンス12.24〜12.28億ドル。
ARR(年間経常収益)
- ARRは12.64億ドルでした。前年同期比36%増。
ARRはannual recurring revenueの略です。サブスクなどに用いられ、年間での売上はいくらになるのか?を把握できます。
サムサラの売上は基本的にほとんどがサブスク契約によるものです。
今期のARRも高い成長を継続しています。
決算数字はオールクリア
EPSの推移
EPSは順調に成長してきています。
【四半期別EPS推移】
2024Q2 | 2024Q3 | 2024Q4 | 2025Q1 | 2025Q2 | |
四半期EPS | 1セント | 4セント | 4セント | 3セント | 5セント |

ARR・売上高の推移
今期のARRは前期比36%と高い成長を維持しています。
前期、前々期と少しずつですが成長は鈍化が見られています。
一方の売上高は24年度Q4以来37%を維持しています。
高い成長率が減速することなく続いています。
【ARRの推移】
2024Q2 | 2024Q3 | 2024Q4 | 2025Q1 | 2025Q2 | |
ARR | 9.30億ドル | 10.0億ドル | 11.0億ドル | 11.7億ドル | 12.6億ドル |
【四半期別売上高推移】
2024Q2 | 2024Q3 | 2024Q4 | 2025Q1 | 2025Q2 | |
四半期売上高 | 2.19億ドル | 2.38億ドル | 2.57億ドル | 2.81億ドル | 3.00億ドル |

高い成長率を継続中

決算発表を受けて、38.75ドルから44.02ドルに株価は大きく上昇しました。上昇率は13.60%でした。
一気にギャップを空けて新高値に入りました。
Q4で好決算を出した時に34ドル付近から14%近く上昇したのと似たような上げ幅です。出来高は今回の方が少なかったです。
ですが、今回は市場全体の地合いが悪い中、大きく上昇して、高値を維持したまま引けました。
この日のSP500は1.73%の下落がありました。
6月17日に27.14ドルの底値をつけてから3ヶ月かからずに新高値に入りました。
新高値入り!

大口顧客の獲得状況
サムサラは大口顧客への対応にフォーカスしています。
結果として、ARRが10万ドル以上の顧客数は前期より169社増え、トータルでは2133社になりました。前年比41%の増加でした。
過去2番目に大きい増加でした。
うち、ARRが100万ドル以上の顧客は14社増え、トータルで98社になりました。前年比58%の増加でした。
また、ARR10万ドル以上の顧客の94%は2つ以上の商品を契約しています。
大口顧客のモメンタムは強く、顧客数、単価ともに増加傾向にあります。
【ARRが10万ドル以上の顧客】

新規顧客、既存顧客でも売上の伸び
新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の売上の両方が成長しています。
既存顧客に対しても、新商品の投入や、さらなるサービスの購入により売上が伸びています。
決算説明ではいいバランスだと語られました。
多様な業界へのビジネスの拡大
取引先の業界が多様化してきています。
もともと運送業のトラックなどを対象にした事業でしたが、現在は多様な業界からの売上が増えてきています。
新規年間契約額のうち87%は建築、エネルギー、公共事業、物流、公共部門、食料品、飲料、小売、フィールドサービスから来ています。
前回決算と状況は変わりません。
グローバルへのビジネスの展開
アメリカ以外からの売上の増加が見られています。新規年間契約額のうち16%はアメリカ国外からでした。前期は18%でした。
特にヨーロッパに大きなビジネスチャンスを見ています。
大口顧客には依然として強いモメンタムが継続している。地理的、業界的なマーケットの拡大も継続中。

世界のGDPの40%以上を持つ業界が対象のビジネスです。600億ドルのマーケットがあるとも言われています。
眼前には大きなマーケットがあります。デジタル化は初期段階であり、今後も大きな成長が期待できます。
今回の決算発表では新製品であるアセットタグに関する質問が多くありました。
今期新たに投入があった新商品にアセットタグというものがあります。
これまで車両やトラックなどの機械をトラックするようなものはありました。
今回は、もっと小さな機械にも使用することができるバージョンとして開発された機器が販売されました。
さらに小さな機械にも使用できるタグ

トラクターから工作道具など、今まではリーチしてこなかったより小さな道具に取り付けることができる機械です。
在庫管理や、盗難防止、どこにあるか探す手間もなくなり、効率UPにも繋がります。
今期だけで、100万ドルを超えるACV(年間契約価値)を達成しました。
決算発表では、顧客のフィードバックも良く、需要も強いことが話されました。
顧客によってさまざまなユースケースも出てきているようです。
また、今回の製品はサムサラが拡大していったことによって可能になったものだとも話されました。
より細かに広くネットワークを構築できたことでリアルタイムに近い状況を確認することができます。
技術的にもメリットがあり、バッテリーは4年程度の使用が可能になっているようです。
新しい製品の開発と提供
サムサラはデジタルの力を活用して、さまざまな顧客の抱える問題の解決のために仕事をしています。
顧客との対話の中でそういった問題を発見し、それを商品にして提供しています。
今後もそういった、これまでにデジタル化できなかった領域や、デジタルの力でより良くなるための商品の開発が期待されます。
今後も開発に力を入れていくことが示唆されました。
スケールの拡大
サムサラのビジネスは順調に拡大していっています。
グローバルにも展開しており、規模を拡大しています。
今後も社員を増やし、拠点を作っていくことで成長が期待できます。
どれだけの早いペースで順調に拡大をしていけるのか?というのも見どころです。
今後も、新しい製品の開発がうまくいくのか?スケールの拡大はできるのか?チェック
新しい役員の採用
取締役にAlyssa Henryが加わりました。BLOCKのCEO、Amazonやマイクロソフトで上級管理職の経験。
CMOにMeagen Eisenbergが就任しました。LaceworkでCMOをしていました。
ということで今回はIOT・サムサラの2025年度第2四半期の決算説明を振り返ってみました。
前回の決算ミスもありましたが、今回は文句なく素晴らしい決算でした。
新しい商品の投入もうまくいっているようです。
今回の決算発表で感じたことは、サムサラは顧客との対話を大切にしているように感じました。
商品の開発に活かせるアイデアを多く得ることができるようで、ビヨンドというサムサラの開いたイベントでは顧客との対話で研究開発のヒントを得ています。
そして今期ではアセットタグという新しい商品が出てきました。
聞いて驚くような機能ではなく、聞けばそんなもの?というような簡単な機能ですが、引き合いは強いようです。
そういったテクノロジーの方が意外と大きく成長するのかなと感じました。
新しい潮流がどのように展開していくのか、今後もフォローしていきたいと思います。
- 2025年度第2四半期決算はコンセンサスを全て上回りました。
- 高い成長は現在も続いている。
- 新商品の発売も順調に行っている。
