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米国現地時間の2024年6月6日午後5時(東部標準時)、サムサラ(ティッカーシンボル:IOT)の決算説明会が行われました。
好決算を発表したサムサラですが、Q2の収益ガイダンスがアナリスト予想を少し下回りました。
今期の決算内容はどうだったのか?内容をフォローしていきたいと思います。
当記事は個人的に情報をまとめた銘柄研究記事です。内容は正確なものを心がけて作成していますが、その内容を保証するものではありません。また当記事は当該銘柄への投資を勧めるものでもありません。投資判断についてはご自身で調べた内容をもとにご判断ください。当記事内容をもとに投資判断されませんようにお願いいたします。万一、当記事をもとに損害を被ったとしても当方では一切の責任を負うものではありません。

売上高・EPS
- ⭕️EPS予想1セントに対して、結果3セント。前年同期は−2セントでした。
- ⭕️売上高予想2.72億ドルに対して、結果2.80億ドル。前年同期比37%増。
次期・年間ガイダンス
- ❌次四半期EPS予想1セントに対し、新ガイダンス0〜1セント。
- ⭕️次四半期売上高予想2.89億ドルに対し、新ガイダンス2.88~2.90億ドル。
- ⭕️年間EPS予想13セントに対し、新ガイダンス13~15セント。
- ⭕️年間売上高予想12.1億ドルに対し、新ガイダンス12.05~12.13億ドル。
ARR(年間経常収益)
- ARRは11億7500万ドルでした。前年同期比37%増。
サムサラはサブスク契約のビジネスであり、顧客が増えたとしても1四半期で計上される売り上げは大きくありません。
そういった意味では、ARRはサムサラの成長をより明確に表す指標になっています。
EPSの推移
【四半期別EPS推移】
- 2025年度Q1 3セント
- 2024年度Q4 4セント
- 2024年度Q3 4セント
- 2024年度Q2 1セント

売上高の推移
【四半期別売上高推移】
- 2025年度Q1 280.7M (前年同期比37%増加)
- 2024年度Q4 276.3M (前年同期比39%増加)※会計期間の違いがあり、実質的には37%の増加
- 2024年度Q3 237.5M (前年同期比40%増加)
- 2024年度Q2 219.3M (前年同期比43%増加)

ARRの推移


決算発表を受けて、34.86ドルから30.56ドルに株価は大きく下落しました。下落率は12.3%でした。
これは1日の下落としては2022年以来の大きな下落でした。
前回のQ4の決算で34ドル付近から14%近く上昇したのとは対照的な反応でした。
一気にレンジの下限であった30ドルを一時は割り込み、200日線も突き抜けて下げました。
前回の決算以上に大きい出来高を伴い下落でした。

IPO依頼、コンセンサスを上回る数字を出し続けていたサムサラですが、今期の決算では一点悪い内容がありました。
それは次期のガイダンス予想です。
Q2のEPSガイダンスがコンセンサスを少し下回りました。
コンセンサスはQ2EPSガイダンス予想1セントに対して、実際のガイダンスは0〜1セントと予想を下回りました。
他の数字に関しては素晴らしく、コンセンサスも上回って来ていました。
次期のガイダンス予想が低かったということで大きく売り込まれたことが考えられます。
CNBCがサムサラのCEOへのインタビューの中で決算後の株価の反応について質問をしていました。
そこでは、マーケットの反応に関して売り手に何があるのか語るのは難しいとしながらも、決算自体は良い決算だったことが説明されました。
またガイダンスについて、今後はガイダンスをこれまでのような幅で上回ることがなくなる、その幅は小さくなることが示唆されています。
それは収益の見通しが以前より立てやすくなったことが要因として挙げられています。
大口顧客へのフォーカス
サムサラは大口顧客への営業を強化しています。
結果として、10万ドル以上の顧客数は前期より116社増え、トータルでは1964社になりました。前年比43%の増加でした。
10万ドル以上の顧客当たりのARRの額が上昇しました。前年同期では30.5万ドルでしたが、今期は31.6万ドルに増加しました。
大口顧客のモメンタムは強く、顧客数、単価ともに増加傾向にあります。
新規顧客、既存顧客でも売上の伸び
新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の売上の両方が成長しています。
既存顧客に対しても、新商品の投入や、さらなるサービスの購入により売上が伸びています。
年間契約額の41%は新規顧客から、59%は既存顧客から上げています。
決算説明では非常にいいバランスだと語られました。
多様な業界へのビジネスの拡大
取引先の業界が多様化してきています。
もともと運送業のトラックなどを対象にした事業でしたが、現在は多様な業界からの売上が増えてきています。
新規年間契約額のうち87%は建築、エネルギー、公共事業、物流、公共部門、食料品、飲料、小売、フィールドサービスから来ています。
グローバルへのビジネスの展開
アメリカ以外からの売上の増加が見られています。新規年間契約額のうち18%はアメリカ国外からでした。前期は16%でした。
メキシコ、カナダ、西ヨーロッパなどを視野にビジネスを展開しています。

世界のGDPの40%以上を持つ業界が対象のビジネスです。600億ドルのマーケットがあるとも言われています。
眼前には大きなマーケットがあります。デジタル化は初期段階であり、今後も大きな成長が期待できます。
今回の決算発表ではマクロ経済に関する質問が多くありました。
今期の決算シーズンでは、多くの会社でマクロ環境の悪化を要因に決算のとりこぼしがありました。
マクロ経済の影響はないのか?は注目点の一つでした。
マクロ経済の悪化による影響は現在見られていない
決算発表の場での、マクロ経済の影響についての質問に対して、現状、需要に減速は見られていないとしています。
製品に対する需要に減速は見られておらず、マクロ経済の影響は見られていないとのことでした。
サムサラがマクロ経済の悪化に強い理由
サムサラの製品を採用した場合に、投資に対するリターンはハッキリと短期で現れます。
早い場合は数ヶ月で費用を回収することができます。
これだけのROIのいい製品ですので、環境に関係なく強い提案力を持っていると言えます。
サムサラは他のソフトウェアエンタープライズ企業のようなマクロ経済の影響を受けにくいことが語られています。
理由として、顧客がサービスを採用するための予算の出所が違うということが挙げられます。
顧客がサービスを採用する場合、IT関連の設備投資予算などではなく、オペレーティング予算であることが多いです。
オペレーティング予算は規模が大きいです。
サムサラのサブスク契約は機器の数によって金額が変わります。
マクロ環境の悪化によって、雇用者が減少するといったことでの影響はあまり受けないということです。
ガイダンスはマクロ経済が悪化したとしても達成に自信
今回のガイダンスに関して、様々なマクロ経済のリスクを考慮に入れたものになっています。
現状、需要に減速は起こっていないものの、もし減速が起き始めたとしてもガイダンスの達成には自信を持っています。
ということで今回はIOT・サムサラの2025年度第1四半期の決算説明を振り返ってみました。
決算内容は強いものの、次期ガイダンスはコンセンサス予想を超えるものではありませんでした。
決算を手掛かりに投資をする場合は、コンセンサスを下回った以上は悪い決算ということが言えると思います。
長期での成長を手掛かりに投資をしている場合は、成長のストーリー自体には変化は見られませんでした。
テクニカル的には、悪い決算だったということで株価は大きく下落をしています。
個人的にはこれまで決算を追ってきて、成長性の高さから今後もどうなっていくのかチェックしていきたい銘柄に思いました。
今回コンセンサスを下回ったのは残念でしたが、今後も決算をフォローしていきたいと思います。
- 2025年度第1四半期決算は次期四半期ガイダンスのコンセンサスを下回りました。
- 成長は現在も続いている。
- 新規顧客、既存顧客、新規マーケットと様々な方面での成長がありました。
- 今後もAIを活用した商品が投入される予定であり、さらなる進化が期待されます。

