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現地時間で2024年2月28日午後5:30(東部標準時)、デュオリンゴ(ティカーシンボル:DUOL)の2023年第4四半期決算発表が行われました。
前四半期に続き、好調な決算が発表されています。
カンファレンスコールでは経営陣の今後の成長への熱意が印象的でした。
本記事では、デュオリンゴの最新決算報告を振り返っていきたいと思います。
当記事は個人的に情報をまとめた銘柄研究記事です。内容は正確なものを心がけて作成していますが、その内容を保証するものではありません。また当記事は当該銘柄への投資を勧めるものでもありません。投資判断についてはご自身で調べた内容をもとにご判断ください。当記事内容をもとに投資判断されませんようにお願いいたします。万一、当記事をもとに損害を被ったとしても当方では一切の責任を負うものではありません。

決算発表での数字の確認をします。
売上高・EPS
- EPS(1株あたり利益)は予想4セントに対し、結果26セント。
- 売上高予想1.48億ドルに対し、結果1.51億ドル。
次期・年間ガイダンス
- 次四半期の売上高予想1.59億ドルに対し、新ガイダンス1.64 〜 1.67億ドルへと上方修正されました。
- 年間売上高予想7.01億ドルに対して、新ガイダンス7.18 〜 7.30億ドルへと上方修正されました。
利用者数の状況
- 総ブッキングは前年同期比51%増、1.91億ドルでした。(総ブッキングにはサブスクの他、広告やグッズ購入の利益などを含む)
- サブスクリプションブッキングは、前年同期比57%増、1.58億ドルでした。
- 有料加入者は、前年同期比57%増、660万人でした。
- 月間アクティブユーザー数は、前年同期比46%増、8840万人でした。(月間の利用者数)
- 日間アクティブユーザー数は、前年同期比65%増、2690万人でした。(日間の利用者数)
デュオリンゴの収益のメインはサブスクリプション収益です。
収益の75%をサブスクリプションから得ています。
- Duolingo サイトURL https://investors.duolingo.com/

年末から決算発表前までの期間では高値からの下落が続いていました。
決算発表の数日前に株価は一旦反発。
決算発表後は大きくギャップアップ、22.24%の上昇がありました。
その後、一旦は反落しましたが、高値圏を維持している状態です。
前回決算発表のときと比べると、今回は決算での上昇の後にすぐに下落が入りました。
株価の傾向を見ると、決算で上昇して、決算前に下げてを繰り返しています。
- 好決算を受けて株価は上昇

前期に引き続き今回も素晴らしい決算発表となりました。
デュオリンゴにおける重要指標の一つはユーザー数の成長です。
デュオリンゴの利益の4分3はサブスクによる売り上げによるものです。
前年同期に比べ月間アクティブユーザー数は46%増加し、好調なユーザー数の増加がうかがえます。
ユーザー数の増加は主として口コミによる流入が大きいです。
注目を集めたスーパーボールの大会での5秒CMなど広告宣伝もうまくいきました。
ですがデュオリンゴは以前より宣伝や広告による新規ユーザーの獲得ではなく、商品の良さを起点にした口コミによる利用者の流入が柱となってきました。
近年ではマーケティングや宣伝にも力を入れてきましたが、依然として口コミがユーザー数増加の最大のドライバーです。
いい製品を提供することで、利用者が満足し、家族や友人に広め、そこで上がった収益を開発にまわし、いい製品を作るといういい流れができています。
今回の決算でなんと10四半期連続でユーザー成長率は加速をしてきました。
さすがに永遠にユーザー成長率が加速することはありませんので、今後は落ち着いてくることが予想されています。
ですが、加速はしないとはいえユーザー数の増加率は高い水準になることが予想されます。
- 口コミによる利用者の高い増加が続いている
デュオリンゴの成長の根幹には、よりよい魅力的な製品を提供するということがあります。
デュオリンゴの支出のうちで最も大きい部分を占めるのは研究開発です。
まず魅力的な製品があって、その中でいかにマネタイズしていくかが検討されています。
最近導入されたコンテンツには次のようなものがあります。
DUOLINGO MAX
昨年発表された新しい課金プランです。さらに深い学習体験をするためのもので、DUOLINGO SUPERの機能が使える他に、GPT4を搭載したAIを活用したコンテンツが利用可能です。
問題を間違った場合に理由を説明してくれる機能であったり、キャラクター相手に会話ができ、会話中の英語の使い方についても教えてくれたりします。
日本での導入は現在されていないようですが、今後の導入が予定されています。
DUOLINGO RADIO
リスニングのトレーニング用のコンテンツ。デュオリンゴのキャラクターがラジオDJを演じています。ポッドキャストを聴くような形で構成されたレッスン。
より高度な英語コース
CERFでB1,B2レベルのコンテンツを導入(中級レベル。日常的な会話から特定分野での議論ができるレベル)。
これまでのコースでは補完できていなかったより高いレベルの英語学習者にも対応したコンテンツを導入。
音楽、数学のコンテンツの追加
昨年より、言語の範囲を超えて、音楽、数学を学べるコンテンツが導入されました。
直近では、収益を期待するものではなく、長期的な観点での成長を期待して導入されています。
現在は英語バージョンの提供になっていますが、日本でも利用が可能です。
- AIやより深い学習内容の提供などより魅力的な新しいコンテンツが導入されている。
ファミリープランの改善
ファミリープランの改善の検討がなされています。
ファミリープランは継続率が高いプランです。現在は有料サブスクのうちの18%を占めています。
継続率が高いため顧客のライフタイムバリューで考えると有益なプランです。
今まで検討がされてきませんでしたが、今後のファミリープランの改善にも力を入れていきます。
長期的な成長を見据えた投資活動
高度なレベルの英語コースの提供して、より幅広く英語学習者の利用を促進します。
今まで高度なレベルの英語学習者に対応したコースを提供していませんでした。
より英語学習者の流入の幅を広げていく。そのための課題に今後取り組んでいくようです。
さらに音楽、数学のコンテンツも今後の長期での成長のために投資していきます。
有料プランへの流入の改善
一環として、最適な課金モデルの提供を検討しています。
現在、無料で使えるプランと、「SUPER」と「MAX」という2種類の有料プランが用意されています。
無料で利用している人が自分にあった有料プランを見つけられるように支援する方法を考えています。
- 長期で見た投資活動や、マネタイズに関する検討がされている。

成長の余地は大きい
世界の英語学習者は20億人いると言われています。
デュオリンゴのオンライン学習における、月間アクティブユーザー数はというと8840万人です。
これは世界のオンライン言語学習における月間アクティブユーザーのなんと約90%を占めています。
一方で世界には20億人の英語学習者がいます。
現在のオンライン以外の学習者を取り込んでいくことで、まだまだ成長の余地があります。
- 世界の言語学習者の規模は大きく、まだまだ成長の余地がある。
AIが与える影響について
AIによる社員の解雇報道について
契約社員をAIに置き換えるという報道が今年の1月にありました。
これについては誤って伝わっている部分もあるようで、決算説明で強調されていたことは、正社員はAIで解雇されたりしていないということでした。
これはあくまでも契約社員などであり、請負業者がやっていたことをAIが置き換えたというわけです。
スタンスとしては自社でできることは自社でやるようにしたといったところです。
AIによる効率化、スピードアップ
AIの活用についての言及で気になったのは、コスト削減効果だけではなく、より早く物事を行うことができるようになったことが挙げられていたことです。
DUOLINGO RADIOは5年前なら10年はかかることだっただろうが、今では数ヶ月で作ることができるようになったのはAIがあったからです。
現在はAIを使って会話ができるコンテンツにも力を入れているそうです。これだけの規模の会社が、研究開発するコンテンツがどのようなものになるのか楽しみです。
- AIによる効率化や、新しい技術によりできなかったことが可能になっている。
競合について
言語学習の業界は競争が厳しい業界です。
また、簡単に他のサービスに移ることもできるので、ユーザーを繋ぎ止めることは難しいサービスです。
そんな業界においてデュオリンゴは今のような成長を続けていくことができるのか?ふと考えました。
決算にもあったようにデュオリンゴのユーザーを増やしているのは口コミのようです。
コンテンツがユニークで人を惹きつけるものであるということです。
実際に使ってみると、確かに面白いですし、それだけでなく学べて、継続できるし、よくできたアプリだなと思います。
言語学習アプリとしての圧倒的なシェアを持っており、認知度も高いです。
研究開発に力を注いでおり、魅力的なコンテンツは利用者から高い評価を受けています。
社会的にも広まっていることを考えると、この牙城を崩すのは競争の激しい英語教育の産業の中にあっても難しそうです。
実際にいいコンテンツを提供していると思います。
楽しいだけでなく、学べるだけでなく、続けられて、しかも無料で使える全世界で使われるサービスです。
デュオリンゴからシェアを奪うのは簡単なことではないように思います。
AIによる会話形式のレッスンにも力を入れている。魅力的なコンテンツになるのか?
DUOLINGO MAXで導入されているような、AIとの対話によるレッスンが導入されています。
日本ではまだ利用できないようですが、今後導入予定です。
AIブームの中、AIを相手に会話のレッスン、そういうサービスを作ろうとする人は多いのではないでしょうか。
好きなキャラクターを作って喋らせるのは誰もが考えそうなことです。
当然その分野での英語学習への活用は考えられると思います。
ではそうなってきた時にデュオリンゴは勝ち残っていけるのか?ふと考えました。
ですが、AIを使って、本当に面白くて魅力的な学習コンテンツをどこが作れるのか?というとデュオリンゴは筆頭格の候補にはなりそうな気がします。
クリエイターや、これまでの成功経験、会社の熱量、研究開発費、知名度などを考えるとやはり有力な会社です。
デュオリンゴの今後の展開に注目していきたいと思います。
ということで2023年第4四半期のデュオリンゴの決算を振り返ってみました。
今四半期での決算は前回に引き続き素晴らしい決算でした。
順調にユーザ数も成長しており、マーケットも成長の余地が十分に残されています。
AIの活用による恩恵も受けており、さらに魅力的なコンテンツの開発にも活用されています。
起業家精神を持つCEOを筆頭に時代を革新する製品の開発を続けているデュオリンゴは今後の展開も楽しみです。
株価はIPO後、SP500を上回るパフォーマンスを出しています。
AI関連銘柄でもあり、今後もマーケットの追い風を受ける可能性があります。
個人的にもアプリを利用していて、率直に言って、面白いし、英語が知らずに身についている感覚はあります。
貧富の格差によらない教育の提供を目指す会社の志も高く、応援したくなる企業です。
今後も決算をフォローしていきた銘柄に感じました。
- 2023年度第4四半期決算は素晴らしい内容でした。
- 今後の成長余地はまだまだ残っている。
- AI関連でもある。
- 製品の改良が継続されていて今後の成長が期待できる。