この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
現地時間で2024年5月8日午後5:30(東部標準時)、デュオリンゴ(ティカーシンボル:DUOL)の2024年第1四半期決算発表が行われました。
前四半期に続き、好調な決算が発表されています。
しかし、第2四半期のガイダンスは事前予想を下回りました。
決算発表後、株価は一時20%を超える下落を見せました。
好調を続けていたデュオリンゴですが、今期の決算で何があったのか?
本記事では、デュオリンゴの最新決算報告を振り返っていきたいと思います。
当記事は個人的に情報をまとめた銘柄研究記事です。内容は正確なものを心がけて作成していますが、その内容を保証するものではありません。また当記事は当該銘柄への投資を勧めるものでもありません。投資判断についてはご自身で調べた内容をもとにご判断ください。当記事内容をもとに投資判断されませんようにお願いいたします。万一、当記事をもとに損害を被ったとしても当方では一切の責任を負うものではありません。


- Duolingo サイトURL https://investors.duolingo.com/

決算発表での数字の確認をします。
売上高・EPS
売上高、EPSは予想を上回るいい決算でした。
- ⭕️EPS(1株あたり利益)は予想27セントに対し、結果57セント。
- ⭕️売上高予想1.656億ドルに対し、結果1.676億ドル。
次期・年間ガイダンス
通年ガイダンス予想はクリアしたものの、次四半期ガイダンスは予想に届きませんでした。
- ❌次四半期の売上高予想1.7692億ドルに対し、新ガイダンス1.75 〜 1.775億ドル、中値が1.7625となり予想を下回りました。
- ⭕️年間売上高予想7.283億ドルに対して、新ガイダンス7.265 〜 7.355億ドルと予想を上回りました。
利用者数の状況
利用者の増加率は鈍化したものの、高い成長を維持しています。
- 総ブッキングは前年同期比41%増、1.97億ドルでした。(総ブッキングにはサブスクの他、広告やグッズ購入の利益などを含む)
- サブスクリプションブッキングは、前年同期比47%増、1.61億ドルでした。
- 有料加入者は、前年同期比54%増、740万人でした。
- 月間アクティブユーザー数は、前年同期比35%増、9,760万人でした。
- 日間アクティブユーザー数は、前年同期比54%増、3,160万人でした。
収益の構成

デュオリンゴの収益のメインはサブスクリプション収益です。
収益の約78%をサブスクリプションから得ています。
残りの22%近くは広告、英語テスト、アプリ内購入、その他によるものです。

決算発表前から株価は上昇を始め、決算発表前には新高値をつけていました。
ですが、決算内容は全体的にはよかったものの、投資家の期待に応えるものではなく大きく下落しました。
取引が始まると同時に大きくギャップを空けて一時には20%以上の下落を見せました。
終値では18.01%の下落になりました。
最近のハイテク銘柄の決算に見られる傾向として、決算ミスで大きく売り込まれる傾向があります。
- 投資家の期待以下の決算を受けて、翌日に株価は大きく下落

決算内容を確認すると、前期に引き続き今回も素晴らしい決算内容でした。
一方で、投資家の高い期待には一部届かず株価は下落しました。
ではどのような決算だったのか振り返ってみたいと思います。
デュオリンゴの決算チェックポイント
- ユーザー数の成長
デュオリンゴの利益の4分の3以上はサブスクからであり、ユーザー数の成長が重要 - 成長ストーリ
高い成長を期待して買われている銘柄。今後の成長ストーリーに異変はないのか
ユーザー数は想定以上の増加が継続
デュオリンゴにおける重要指標の一つはユーザー数の成長です。
これまで高いユーザー数の増加率でしたが、前回の決算発表でも言及されたように、今後はそのペースの鈍化が指摘されていました。
というのも最近の決算では、前期比60%を超えるなど、かなり高いペースで増加を続けてきました。
それが継続すると考えるのは無理があります。
どこかでは減速が来るのは当然なので、どれくらい減速するか?大きく減速しすぎていないか?ということがポイントになってきます。
- 前期決算
月間アクティブユーザー数は46%増加、日間アクティブユーザー数は65%増でした。 - 今期決算
月間アクティブユーザー数は35%増、日間アクティブユーザー数はが54%増でした。
2023年第4四半期から比べると、月間、日間アクティブユーザーともにペースが落ちていることがわかります。
では経営陣の評価はどうだったかというと、『依然として成長率は強く想定以上だった』ということがカンファレンスコールで示唆されました。
以前より何度も成長率は下がることが言及されてきました。今期の減速はあったものの今なお高い成長率が続いています。
依然として高い成長ストーリー
次に成長のストーリーはどうなっているのか見ていきましょう。
デュオリンゴのビジネスの成功というのは、
良い製品を作る→口コミが広がる→成長→より良い製品を作る、、、といった一連の流れです。
この勝利の方程式は変わっていません。
当面の成長のシナリオとしては
- 高いレベルの英語学習を提供して、さらに多くの利用者獲得を目指す
- プランの改良、新プランの提供で、利用者に対する収益性を向上させる
があります。
現在の市場規模とシェア
来年までに言語学習市場は1,150億ドル規模になると推定されています。
デュオリンゴのシェアはその1%未満です。カンファレンスではその市場獲得について、まだ始まったばかりだと表現していました。
世界の言語学習者の大多数は英語を学んでいます。
また、言語学習にお金を払っている人も英語学習者が多いです。
デュオリンゴの現在の取り組み
中、上級レベルの英語学習者の獲得
デュオリンゴは中、上級レベルの英語学習者の利用にまだ余地があります。
中、上級レベルの英語学習を提供することでさらなる利用者の増加と収益の向上を目指しています。
具体的な方策としては、デュオリンゴMAXという最上位プランの導入実験が去年の秋より始まっています。
デュオリンゴMAXの状況
デュオリンゴMAXではAIが搭載され英会話学習機能が強化されるなどより質の高い英語学習が可能です。
デュオリンゴMAXは試験的に一部の人にしか提供されていませんが、結果は良いようです。(日本ではまだ提供されていません)
今年はさらに、GDPの高い他の国々でも提供を広げていく予定で、今後は日本でも導入が検討されています。
取組みがうまく行った場合、成長の余地は大きい
こうした取り組みでさらに高いレベルの英語学習者の獲得がうまく行った場合、企業収益に対して数年続く高い貢献が予測されています。
有料プランの最適化で収益の向上

デュオリンゴではフリープランと2つの有料プランである、デュオリンゴSUPER、デュオリンゴMAXが提供される予定です。
より利用者にあったプランの提供で収益率の向上を図ります。
それに加えて、現在はファミリープランの改良が実験されています。
当初、ファミリープランはそれほど力を入れていないサービスでした。
ですが、結果として、自然と利用者が増え、他のサービスに加えてリテンション率が高いことがわかってきています。
今年はファミリープランの改良にも力を入れ、さらなる向上を目指しています。
まとめると、今までのところ、ユーザー数の増加も順調、新しいサービスも順調、さらに収益を高める取り組みをしていて、それも今のところは順調に進んでいます。
- 利用者の増加は鈍化したものの依然として高い状態が続いている
- 成長のストーリーは描けている
数字を見ても素晴らしい決算結果でした。カンファレンスコールを見ても成長は続くように思えます。
ですが、株価は決算発表の翌日に大きく下落しました。
何が原因だったんでしょうか?次のようなことがあったのではないかと推測します。
次期ガイダンスが事前予想を下回る
今回の決算で1つ事前予想クリアできなかったのは事前の次期売上高予想です。
次四半期の売上高予想1.7692億ドルに対し、新ガイダンス1.75 〜 1.775億ドルでした。
ガイダンスの中値が1.7625億ドルですの67万ドル届きませんでした。
一方で、通期でのガイダンスは予想は上回っています。
次期のガイダンスのみがクリアできなかったわけです。
為替レートの影響
決算説明で、前年と為替レートが同じであったならば、次期のブッキング数は3ポイント、年間では1ポイント高くなっていたことが示唆されました。
為替の影響がなければ、次期ガイダンスは引き上げられていました。
経済減速への懸念
経済の減速により、消費者が支出を減らすようなケースでは収益に影響があります。
デュオリンゴの収益の47%はグローバルでの影響を受けます。世界的な経済動向にも関係があります。
アプリ内購入は2023年第4四半期では前年同期比52%でしたが、今季は26%と大きく下がりました。
これらを考えると、投資家の期待がかなり高い中、世界的な経済の動向への不安があったのではないかと思います。
大きな期待が織り込まれた株価だった分、株価は大きく下落したと考えられます。
- 次期ガイダンスが事前予想を下回る
- マクロ経済や為替動向への懸念

決算を受けて株価は大きく下落しました。
とういうことで現在保有する私自身の株をどうするか考えてみました。
今回の場合は投資スタイルによって対応が変わってくると思います。
あくまでこれは私自身の投資戦略ですので、ご自身の投資判断はご自身のリスク管理や判断のもとにされるようにご注意ください。
決算を手掛かりにした投資の場合
決算を元に買いを判断した場合、決算が悪かったら売りということになります。
マーケットタイミングは取らずに素直に売ってしまう。いい決算が出たらまたその時に買うか検討する。
長期での成長ストーリーで買っている場合
製品が好きで、企業の成長を信じて買っているなら、決算自体は悪くなく成長のストーリーは変わっていないのでホールドする。
今回のような下げは我慢。
といった対応が考えられると思います。
利益をクッションにして、出来るだけホールド
私自身はデュオリンゴの成長に期待しています。革新的な強い銘柄は出来るだけ保有しておきたいと思います。
一時的な為替や経済環境悪化の影響を受けるのはあり得る話です。
ですが、長期ではやはり成長が期待出来ると思います。
幸い、現在の保有ポジションは決算後下落はあったもののプラス圏を維持しています。
とはいえ安全を考慮して投資をしたいです。
下落があった以上は、半分のポジションは売却、残りのうち20%のポジションは動きを見て下がるようなら売却。
残りの30%は200日線など大きな価格帯を割り込んだり、含み益がマイナスにならない限りは保有を継続しようと考えています。
重点としては
- 損失にしないこと
- 小さくても出来るだけポジションを維持すること
- 売却したとしても監視を続けること
です。
良い銘柄であればまた上昇に乗っていくチャンスが出てくる可能性が高いです。
そういったタイミングを逃さないように監視を続けることを励行したいと思います。
今後の注目点として
- 利用者数の増加が高いペースで続くか
- 有料プラン利用者層の拡大があるか
- 世界的な経済、為替といったマクロ経済の影響はどうか
利用者数の高い増加率が今後も継続するのか?
デュオリンゴの収益はサブスクリプションがメインです。その利用者数の増加が今後も順調に増えていくのかに注目です。
重要商品、デュオリンゴMAXの動向はどうか?
より高いレベルの学習者のマーケットを獲得することを計画しています。
最上位プランであるデュオリンゴMAXはその為にも重要なプランです。
今後、より幅広い国で提供が開始される当サービスの動向に注目です。
ファミリープランの動向はどうか?
今年は多くのファミリープランの実験が行われる予定です。どのような成果が出るのか注目です。
世界的な経済、為替の動向はどうか?
グローバルに展開しているため、世界的な経済や為替がどう影響してくるかが注目されます。
ということで2024年第1四半期のデュオリンゴの決算を振り返ってみました。
今回の決算では素晴らしい数字だったにもかかわらず、わずかに投資家の期待を下回ったために株価は大きく下落しました。
株価は下落したものの、デュオリンゴの成長ストーリー自体は変わっておらず、今後も成長が期待されます。
一方で、足もとでの世界経済の動向、為替の動向によっては収益へ影響を与える懸念があります。
投資家としては、決算を手掛かりに投資しているのか、デュオリンゴの長期での成長ストーリーに賭けて投資しているのかによって対応が変わると思います。
注目に値する銘柄であることには変わりなく、今後も監視をしておくべき銘柄に思いました。
ということで今後もデュオリンゴの決算をフォローしていきたいと思います。
- 2024年度第1四半期決算は素晴らしい内容でした
- とはいえ、投資家の事前の期待を上回らない部分もあった
- 今後の成長余地はまだまだ残っている
- 今後も監視を続けたい銘柄


