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現地時間で2024年8月7日午後5:30(東部標準時)、デュオリンゴ(ティカーシンボル:DUOL)の2024年第2四半期決算発表が行われました。
前四半期に続き、好調な決算が発表されています。
第3四半期のガイダンスを含め、今回は事前予想の数字を上回る内容でした。
決算発表後、株価は一時10%を超える上昇を見せました。
好調な第2四半期を通して、成長率は再加速を見せています。
ただでさえ高い成長を続けていたデュオリンゴですが、今期の決算では何があったのか?
本記事では、デュオリンゴの最新決算報告を振り返っていきたいと思います。
当記事は個人的に情報をまとめた銘柄研究記事です。内容は正確なものを心がけて作成していますが、その内容を保証するものではありません。また当記事は当該銘柄への投資を勧めるものでもありません。投資判断についてはご自身で調べた内容をもとにご判断ください。当記事内容をもとに投資判断されませんようにお願いいたします。万一、当記事をもとに損害を被ったとしても当方では一切の責任を負うものではありません。


- Duolingo サイトURL https://investors.duolingo.com/

決算発表での数字の確認をします。
売上高・EPSの結果
第二四半期での売上高、EPSは予想を上回る数字でした。
次期ガイダンス、通期ガイダンス共にアナリスト予想を上回る内容でした。
項目 | 事前予想 | 結果 |
---|---|---|
【四半期】 | ||
EPS(一株あたり利益) | 32セント | |
売上高 | 1.77億ドル | |
【次期ガイダンス】 | ||
売上高 | 1.88億ドル | (中値1.882億ドル) |
【通期ガイダンス】 | ||
売上高 | 7.33億ドル | (中値7.348億ドル) |
利用者数の状況
利用者の増加率は若干の鈍化がみられたものの、高い成長を維持しています。
一方で、デイリー、マンスリーユーザー数では増加率の加速が見られました。
項目 | 結果 | 成長率 |
---|---|---|
トータルブッキング (サブスク、広告など含む売上) | 1.9億ドル | |
サブスクリプション売上 | 1.56億ドル | |
有料加入者数 | 800万人 | |
マンスリーアクティブユーザー | 1.03億人 | |
デイリーアクティブユーザー | 3400万人 |
収益の構成


デュオリンゴの収益のメインはサブスクリプション収益です。
収益の約80%をサブスクリプションから得ています。
残りの20%近くは広告、英語テスト、アプリ内購入、その他によるものです。

決算発表前に、マーケット全体での大きい下落がありました。
マーケットの下げと共にデュオリンゴの株価も大きく下げました。
底から反発したところで、8月7日の決算発表を迎えました。
その後、好決算を発表し株価は前日比終値で10.9%上昇しました。
その後は、大きな押しもなく現在まで上昇を続けています。
- 好決算を受けて株価は上昇、マーケットの反発局面でもあり、現在も上昇を継続

前期の決算ではケチがついたデュオリンゴでしたが、今回は素晴らしい決算内容でした。
ではどのような決算だったのか振り返ってみたいと思います。
デュオリンゴの決算チェックポイント!
- ユーザー数の成長はどうか?
デュオリンゴの利益の4分の3以上はサブスクからであり、ユーザー数の成長が重要 - 成長ストーリは描けているか?
高い成長を期待して買われている銘柄。今後の成長ストーリーに異変はないのか
1億人のマンスリーユーザーを達成、サブスク契約者は800万人に成長
今期の決算発表では、ついに大台である1億人のマンスリーユーザーとサブスク契約者は800万人を達成しました。
素晴らしい成長を続けています。
ユーザー数は想定以上の増加が継続
収入の要である有料加入者は前期54%増から、今期は52%増となりました。
若干の減速ですが、高い成長率を維持しています。
また、マンスリーアクティブユーザーとデイリーアクティブユーザーは前期の増加率を上回りました。
つまり、ユーザー数の増加は依然として強いモメンタムが続いています。
一方、広告、デュオリンゴテスト、アプリ内購入といったサブスク以外の収益の成長はそこまで高くありませんでした。
その結果、トータルブッキング(全体の売上)としては前期比38%増と減速しています。
【前年同期比成長率の推移】
Q2 2024 | Q1 2024 | Q4 2023 | Q3 2023 | |
---|---|---|---|---|
トータルブッキング (全体の売上) | 41% | 51% | 49% | |
サブスク売上 | 47% | 57% | 54% | |
有料加入者 | 54% | 57% | 60% | |
マンスリーアクティブユーザー | 35% | 46% | 47% | |
デイリーアクティブユーザー | 54% | 65% | 63% |
デュオリンゴMAXに手応え!年末までに全世界に展開
デュオリンゴは中・上級レベルの英語学習者の獲得を計画しています。
その為、よりレベルの高いコンテンツの提供にも力を入れています。
その取り組みの一つに、最上位プランである、デュオリンゴMAXが近年導入され始めています。
一部の地域で提供されており、決算発表日時点ではデイリーアクティブユーザーのうち15%程度がこのサービスにアクセス可能でした。
今後はさらに全世界への展開を進め、年末までにほとんどの国で利用ができる予定です。
これまでのところデュオリンゴMAXに、経営陣はいい感触を得ているようです。
今後の展開の結果は実際にやってみないとわからないとしながらも、自信をのぞかせる発言がありました。
デュオリンゴMAXはデュオリンゴが提供する有料プランで最高位のものです。
この8月から私のアプリでもデュオリンゴMAXが使えるようになっていました。
日本でも提供が開始されたようで、早速トライアルにてデュオリンゴMAXを体験してみました。
デュオリンゴMAXの機能は大まかに言うと、
- AIが搭載されて機能が充実
- デュオリンゴのキャラクターとのリアルタイムでの会話機能
- 会話によるロールプレイグ
- 問題を間違った場合、間違った点などを解説してくれる
- 料金は月額4,490円、年間契約は22,800円(月1,900円)、他ファミリープランがある
が挙げられます。

AI機能が搭載され、会話によるレッスンのコンテンツが追加されています。
これまで、どうしてもアプリでは限界のあった英会話の練習が、実際にAIと会話できることで会話の練習までできるようになっています。
使ってみたところ、AIとはいえ臨場感もあり、受け応えもきっちりしてくれます。
人相手の英会話だと恥ずかしいと言うこともAIなら、そういったことも感じずに済みます。
高い月謝を払って英会話を習いにいくことを考えると、年間契約であれば22,800円。
月額でいえば1,900円で学べる内容としては、十分にお得な値段なような気がしました。
また、問題の間違ったポイントも指摘してもらえるようになったので、より英語の理解が深まります。
巷の英会話レッスンに比べればずっと安く、本格的に英語が学べるのでそれなりに需要があるのではないかと思いました。
また、新しい機能の追加や機能の改善も今後進めていくことが語られました。
ファミリープランなど、ソーシャルな繋がりを利用した利用率の向上
デュオリンゴでは今年、ファミリープランの改善に力を入れています。
ファミリープランは継続率が高く、ユーザーをデュオリンゴに引き止めてくれています。
また、家族や友達などの繋がりのある人を巻き込んだクエストや仕組みを次々に導入しています。
ファミリープランは順調に成長をしていて、現在では有料サブスクのうちの20%はファミリープランです。
今年度はさらに利用率は上昇することが予想されています。
日本でのマーケティングの成功を他国にも展開
今期、日本におけるデュオリンゴの成功が取り上げられました。
Q2期における日本でのデイリーアクティブユーザーは前年同期比で93%、ブッキングの成長は前年同期比58%を記録しました。
デュオリンゴは今期、大きく日本で躍進しています。
今後はこの成功を元に、他国にも同じ方法でデュオリンゴをマーケティング展開していくことが示唆されました。
デュオリンゴのマーケティングの方法は、初めは少しずつマーケティングに投資をしていくことから始まります。
その後、その国のマーケティンマネージャーを雇い、エンターテイメントにフォーカスしたその国の文化に関係したコンテンツをインフルエンサーや、他ブランドとの協力関係を活用しながら仕掛けていく。
こういった一連の戦術は他の国にも利用可能といいます。
直近では、フランス、韓国でのカントリーマネージャーを雇ったことが語られました。
こういった取り組みが今後も行われていく予定です。
デュオリンゴの今後の展開として注意しておきたい点には次のことがあります。
デュオリンゴMAXの展開はどうなるか?
いよいよ最上位プランであるデュオリンゴMAXが年末にかけてほとんどの国で提供されることになります。
この結果がどうなるか?というのが一つの見どころになります。
Q2期においては、決算への影響が出始めたばかりです。
完全にその影響が現れてくるのは2025年になってからになる予定です。
こうした中上級レベルの英語学習者の獲得の取り組みは長期での取り組みになることが予想されます。
他国での市場の拡大はうまくいくのか?
デュオリンゴの市場は米国を超えて、世界のさまざまな国に展開しています。
米国や西ヨーロッパではデュオリンゴは広く利用されています。
今後は、日本や、フランス、韓国のようなまだデュオリンゴが浸透していない地域での拡大がどれだけうまくいくのか?
が注目です。
日本での成功は、他の国でも同じように本当にうまくいくのか?
が気になる点です。
新規利用者獲得から、リターンユーザーにフォーカス!その動向は?
これまで、デュオリンゴでは新規ユーザーの獲得に注力してましたが、今後は既存ユーザーが戻ってくることにも力を入れることが語られました。
Q2期でのユーザーの成長率が高かった要因の一つには、1月以上利用のなかった既存ユーザーがまた利用を開始したことが挙げられました。
ということで、今まで注力してこなかった、既存ユーザーの利用を復活させることにも注力していくことを発表しています。
今後の新規ユーザーの成長率とともに、既存ユーザーがどれくらい戻ってくるのかにも注目です。

その他、決算説明で気になった点について簡潔にまとめてみました。
- AIが競合してくるのではないか?
自動翻訳など何年も前からすでに存在している。デュオリンゴのユーザーはほとんどが趣味の人で、言語に興味がある。 AIはチェスが得意だが、チェスをする人がいるのと同じ。(つまり、 AIによって英語学習がいなくなるわけではない。) - AIのコストについて
AIコストは時間とともに下がってくることを予測している。そうした場合に、無料プランにも組み込まれる可能性もある。最もヘビーなAI機能はMAXに置かれる。 - 年間を通して、収益性は各期ごとに変化がある
Q3期はQ2期より収益性は圧迫要因がある。職員採用と研究開発費の計上。Q4期ではQ3期より少し高くなる。 - 今年後半の成長率の減速
前年の後期はバービーの映画にデュオリンゴが取り上げられて、成長率が増加した。一過性の要因のため、今年後半の前年比較での成長率は減速することを見ている。 - 為替の影響
現地通貨建の決済をドルに転換するため、ドルの為替レート変動の影響がある。為替ヘッジは今のところ行っていない。10%程度の変動は決算に甚大な影響は与えない。 - 高いユーザー成長率について
まだしばらくの間、高い成長率が続く。
ということで今回は2024年第2四半期デュオリンゴの決算を見てきました。
前回の決算では若干、次期ガイダンスにおいてアナリス予想を下回りましたが、今回は完璧に全て予想を上回ってきました。
高い成長率が現在も継続しており、新しいプランの投入などマネタイズの方策にも力を入れています。
今回はいよいよAI機能を搭載したデュオリンゴMAXのサービスがほとんどの国に提供されることが示されました。
今後のデュオリンゴの成長を占う上でも重要な製品です。
会話機能を実装した製品であり、上級レベルの英語学習者を取り込んでさらに市場を開拓できるのかが注目です。
今回の決算のハイライトとしては
- 1億人のマンスリーユーザー、800万人のサブスクブッキングを達成
- 新規ユーザー、リターンユーザーの両方で強い成長があった、高い成長率は依然継続中
- 最上位プランのデュオリンゴMAXを今年中にほとんどの国でサービス開始
今後気になることは
- デュオリンゴMAXは成功するのか?
- 高い成長率は継続するのか?
- 世界へのデュオリンゴの展開はうまくいくのか?
- デュオリンゴMAXやファミリープランなどのマネタイズはうまくいくのか?
です。
素晴らしい決算を見せてくれたデュオリンゴ、今後も決算をフォローしていきたいと思います。


