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ミネルヴィニ氏が初めて自身の投資法をまとめた著書『ミネルヴィニの成長株投資法』は大ベストセラーとなりました。
その後、多くの人々がミネルヴィニ氏の投資法を学んでいます。
そんなミネルヴィニ氏のもとには、投資に関する多くの質問が寄せられました。
それは、投資家が実際に直面し疑問に思ったリアルな声でした。
では、そんな質問に答える本を出版してはどうか?
ということで出版されたのが本書『成長株の神』です。
いわゆる投資本とは違い、ミネルヴィニ氏を含む4人の投資の達人が質問に、ただただ答えていくという内容です。
読んでみると、実際の投資で気になっていた点や、投資法をどう使っているのかのニュアンスなどを感じ取ることができました。
ということで今回は『成長株投資の神』のレビューをしたいと思います。
読んでみた本『成長株投資の神』
邦題『成長株投資の神』です。
原題は『Momentum Masters:Roundtable Interview with Super Traders』です。
英語版が2015年に出版され、日本語版は2016年に出版されました。
1997年、2021年の全米投資大会にて優勝。超一流の投資家。
独自の投資法を伝える活動や、人生で成功するためのメンタルテクニックを教えたり幅広い活動をしている。
投資の達人4人による座談会形式で、同じ質問にそれぞれが答えていく。
最初から最後までひたすら質問に答えていく内容。
基本的には成長株投資家の投資スタイルについて学べる本。
成長株投資法を学びたい人、学んでいる人におすすめの本です。
投資家から集まった質問を130個に厳選して回答した本書。
回答するのに、四人の投資の達人が登場します。
【回答する4人の投資家】
- マーク・ミネルヴィニ
- デビット・ライアン
- ダン・ザンガー
- マーク・リッチー2世
それぞれ年齢や投資法が少し違います。
どんな人が回答するのかというと。
マーク・ミネルヴィニ氏は言わずと知れた偉大な成長株投資家です。本書の著者。
デビット・ライアン氏は成長株投資のレジェンド、ウィリアム・オニール氏のもとで働き、オニール氏と同行し投資セミナーの講師もしていた人物です。
なんと全米投資大会に3年連続優勝している、こちらも負けず劣らずの超一流の成長株投資家です。
ダン・ザンガー氏は1990年後半にわずか18ヶ月で164,000%というとてつもないリターンを達成。
数々のメディアや雑誌に出演。ザンガーレポートの執筆、株式サイトのテクニカルアナリストなどをしています。
マーク・リッチー2世はミネルヴィニ氏の投資セミナーで学び、2023年現在ではミネルヴィニ氏と一緒に仕事をしている比較的に若手のの投資家。
父親は『マーケットの魔術師』で取り上げられたマーク・リッチー氏であり、投資家一族です。
カップウィズハンドルなどが形成されて、ピボットを抜けた時に買いに入るとはいうものの、実際にどうしているのか?何を見ているのか?
どうやってポジションを管理しているか、大きくしていくのか?
ブレイク後の早い時間に、その日の出来高が増加するかどうかをどう判断してトレードしているのか?
実際にトレードしてみると疑問に思うことですよね。
4人の回答はそれぞれ違いがあるものの、ポジションの立て方や、買うタイミングなど実践している内容がわかり勉強になりました。
例えば、ミネルヴィニ氏はブレイク時の出来高について次のように言っています。
私は通常、値動きで買って出来高で確かめます。私の思惑どおりに進展しなければ、いつでも売ればいいだけです。
『成長株投資の神』
次にデビット・ライアン氏は
ファンダメンタルズが非常に良くて、ベースが適切であれば、まず小さくポジションを取り、出来高も株価も続伸すれば買い増します。
『成長株投資の神』
どちらもまずはポジションを取ることの方よりに考えているようです。
私がピボットを見ていて、マーケットが開けた時にピボットを通過するものの、出来高がどうなるかわからないなと思いまごつくことがあります。
出来高少ないとブレイク失敗に終わるかもしれないしな、なんて考えてるとグイグイ上げて買いそこなってしまったり。
そんな経験もあるので、この回答は勉強になりました。
他にも出来高を判断するテクニックなどはあるので、そういったことを参考にしながら自身のトレードを調整していけそうです。
一つ一つの質問が、あーこれ聞きたかったやつだわと思うものであったり。
気になってた部分なんだよなー。というのがあったりするので読み応えがあります。
ブレイク時に見ているポイントや、相場つきにより変える戦略があったり、トレードの中で気をつける点がより明確になってきました。
プロがどういう点を注意しているのか質問の中から学ぶことで、その点を自分でも気をつけようとより思えるようになりました。
本書を読んでいて改めて思うことは、やっぱり誰しもが失敗をするということです。
掲載の質問の中に、厳しい時期を経験したか?というのがあります。
ミネルヴィニ氏は
最初はあらゆる失敗をしました。大事な教訓をほとんど試行錯誤で身に付けるまでに、しばらく時間がかかりました。六年くらいはひどい成績でした。
『成長株投資の神』
6年間とは、なかなかに我慢する覚悟が必要ですね。
次にデビット・ライアン氏は、若い頃に資金を2倍にした後に、その利益を全て失い、損にまでしてしまいました。
私は自分が犯したあらゆる間違いを研究し、規律をしっかり守るようになって、以前よりずっと上手になりました。その時期を乗り越えるまでに、2年以上かかりました。
『成長株投資の神』
大勝ちのポジションが損になるのも痛い経験ですね。
達人たちにも厳しい時期があったことがわかります。
ですが、それを糧にして学んだことで成功していくこともわかります。
それを乗り越えていくには、時間もそれなりにかかるということは心に留めておいた方がよさそうです。
こうやって失敗の話を読んでいると、失敗はつきもののように思えてきます。
失敗を乗り越えて進んできたからこそ、プロの投資家ほどリスクの扱いにかなり注意を払っているように思えます。
正しいリスク管理ができることが投資上達のためのスキルの一つではないでしょうか。
この他にも成功するために乗り越えなければいけなかった最も難しい障害は?
トレード手法を身につけるのに役立ったことは?
などの質問は投資を学んでいく上で、注意しておくといいことが学べました。
どういったことに苦労したのか知っておけば、同じ状況になった時にも落ち着いた対処ができます。
これは乗り越えるべき課題だというのが分かるだけでも、その後の対応が変わってくると思います。
投資を学んでいく上で、何から学ぶのがいいのかなどの回答は独学している私にとっては勇気づけられる内容でした。
何を学んでいたら投資が上手くなるのか、独学していると不安にもなりますのでプロが考える上達のためのツールというのがわかるのはよかったです。
正直、一番最初に読んだ時には気づいてませんでした。デビット・ライアン氏の凄さに。
成長株投資の勉強を始めるようになり、IBDや関連の書籍を勉強していくうちに、デビット・ライアン氏の凄さがわかってきました。
デビット・ライアン氏は『マーケットの魔術師』で紹介された人物です。
ライアン氏が書いたキチンとした投資本は調べても出てこないところを見ると、出していないように思います。
そういった意味でも投資家としての認知度が少し低くなっているように思います。
ですが、
全米投資大会で3年連続の優勝を果たしています。
そして、オニール氏の会社で働き、投資法を教えるセミナーにオニール氏と一緒に講演を行っていました。
かつてはミネルヴィニ氏もそのセミナーを受講して、オニール氏の投資法を学びました。
近年までミネルヴィニ氏の開催するマスタートレーダーズプログラムではデビット・ライアン氏も協力して一緒に講師をしていました。
つまりは、オニール氏の近くで働き、経歴、キャリアともピカピカの成長株投資の最重要人物の一人ということです。
成長株投資家が学ぶべき人物の一人です。
本などは見当たらない一方で動画はたくさん出てくるので、英語ができる人は参考にするといいと思います。
本書はそんなライアン氏が質問に答えている貴重な本だと思います。
ということで今回は『成長株投資の神』をレビューしていきました。
ミネルヴィニ氏の著書の一つで、読むまではどんな本なのかなと思っていました。
内容は投資家の質問を集めて、それにミネルヴィニ氏を含む4人の投資の達人がそれぞれに答えていく。
その答えをただただ掲載している本でした。
ということで普通の投資本とは少し形式が異なります。
しかし、投資家の質問は現実に投資家が疑問に思ったことをリアルに反映したもので、読んでいる読者自身にも共通する部分の多い疑問でした。
その回答はよりきめ細かく投資の疑問に答えてくれます。
また、集まった4人はそれぞれに素晴らしい投資家で、かつ違いもある投資の達人です。
経験、スタイルの異なる4人の回答は読む人にさまざまな気づきを与えてくれるものと思います。
成長株投資について学ぶ人の質問が集まったもの、ということで本書は成長株投資家向けの本です。
これから成長株投資を学びたい、さらに詳しくなりたいという人におすすめの本です。
- 投資家の質問にただただ答えていく本
- 成長株投資家には気になるところが学べる
- 成長株投資を学ぶ人、学びたい人にはおすすめの本