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売りについて知らない人は、ディフェンスを知らないで競技をするようなものです。
どんな競技でもオフェンスだけ上手くても、ディフェンスが全くできなければ勝つことは難しいのではないでしょうか。
投資でも同じことが言えます。
ですが、意外とディフェンスを考えていない場合があります。
買い方には力を入れていても、売り方についてはあまり考えていなかった、なんてことがありがちです。
せっかく利益が出ていても、売らずにいるうちに下落して利益がなくなったり、そんな経験は誰もがあるのではないでしょうか。
オニール自身もそんな経験を反省し、売りのルールを作りました。
その後のオニール氏は素晴らしい投資パフォーマンスを上げていきました。
本書はそんな投資の重要な部分である『売り方』についてオニール氏の考えがまとめられています。
ということで今回は売り方について学んでみたいと思います。
読んでみると非常に参考になりました。
空売りしないという人にも銘柄の分析力が上がるのでおすすめの内容でした。
『オニールの空売り練習帳』について何が学べるのか?何が役立つのか?レビューしていきたいと思います。
オニール氏の空売りテクニックがまとめられた本です。
売り方のタイミング、やり方、理由など詳しく学べる本。
1976年にパンフレットの形で出版されたものを加筆、アップデートして出版されました。
『オニールの成長株投資法』『オニールの相場士養成講座』についで3冊目にあたり、売りについて書かれた本です。
成長株投資家を学ぶ人は他二冊も一緒に読むのがおすすめです。
著者はWilliam J O’neil(1933年ー2023年)です。成長株投資で最も有名な人物の一人。
自身の投資法で成功を納め、30歳の時、当時最年少でニューヨーク証券取引所の会員権を取得。
その後、投資関連の会社やファンド、情報誌などを設立する。
著書の『オニールの成長株投資法』はベストセラーとなり、世界中で多くの人に読まれています。

本書は売りのタイミングや、方法、その理由などがまとめられていて、売りの基本知識が身につきます。
基本となる売りの知識がしっかり学べ、かつ判断に重要なチャート例が多数掲載されているということで評価は5点です。
しかし、株を売るべき時期、方法、そして理由を学ばずに、市場でうまく立ち回り、資産を守ることができる方法があるとは私には思えない。
『オニールの空売り練習帳』
売り方をなぜ考えないといけないのか?
投資を考える時、まず熱心に買い方を考えると思います。
とにかく上がる銘柄を探したい、という気持ちが先に立つのはわかります。
売るも何も、そんなのはまずは上がってからの話じゃないか、というのももっともな話です。
ですが本書を読んでいると改めて売りの大切さを感じました。
オニール氏はかつて、まだ若い頃にある上昇する銘柄をゲットしました。
ですが、どこで売るかについては何もプランを持っていませんでした。
そして、最終的にはどうなったか?
かつて利益を生んでいたポジションは、時とともに下落してしまい、最終的に利益は消えてしまいました。
そうした経験を反省し、オニール氏は売りのルールを作りました。
その後のオニール氏は下落相場もうまくかわし、大きく成功を納めていくきっかけになりました。
オニール氏の失敗談ですが、よく聞く話で自分自身にも身に覚えのある話です。
やはり売りのルールは持つべきかと思わせてくれます。
確かに最初は上がる銘柄を熱心に探すわけですが、いざ上がっていくと感情が湧き上がってきます。
「もっと上がって欲しいけど、下がったら嫌だな、、、」とか
根拠もなく「もう少し上がったら売ろう。」など
売りのルールを持たないことで、その場の強い感情に判断が傾いていきそうです。
投資の成否はリスクとリワードが正しくなければいけません。
感情にただ任せるだけでは当然行き当たりばったりになります。それではなかなかうまくいかないでしょう。
そういう意味でもきちんとしたルールを持っておくというのは大事なんだと改めて思いました。
本書では空売りの方法が学べます。
どのタイミングで、どんな銘柄をどうやって売るかがわかります。
本書の中には売りのテクニカル的な方法も多く載っています。
その中にはわかりやすく明確に売りの指標にできる部分もあり、読んでいるとこれは実際に使えそうだなと思えるものがありました。
いくつかの売りの指針となるチャートパターンを覚えることができます。
上昇中に現れる売りのパターンの解説もあり、そういったものは特に利益を伸ばす上でも重要なことだと思います。
それによって、弱くないのに早めに売ってしまうことを防ぐ助けになると感じました。
利益を伸ばすためには、いつ下がるかもしれない恐怖と戦う必要があります。
特に上昇し続けるような強い銘柄をどこまでホールドするか?
というのは投資家にとって大きな問題の一つです。
どんな状態が弱いパターンなのか、クライマックスなのか?
判断できると心理的にも強い援護になります。
私自身、どんな状態なら持ち続けていいのかという判断が以前よりはっきりしました。
読者がこれらの事例を注意深く研究すれば、空売りの候補の「モデル」の性質や特徴について強い感覚を身につけることができるはずであり、その知識を実際のトレーディングに生かすことができるだろう。
『オニールの空売り練習帳』
上がったものもいつかは下落をします。
それは市場を牽引してきたような最高の銘柄でも同じです。
逆に大きく上昇した銘柄ほど、大きく下落する可能性さえあります。
本書では弱いチャートパターンやその特徴を教えてくれます。
それは勢いよく上昇している銘柄のチャートとは異なります。
強い出来高がありながらほとんど上昇できなかったり。
10週移動平均線線を割って、戻って来れなかったり。
こういった症状を分析ができるようになれば、下落の危険性に敏感になれます。
弱い兆しをいち早く見つけ、クライマックスの動きに気づければそうした問題に対処する手がかりです。
そういった動きの特徴を空売りのやり方を通じて学ぶことができます。
また本書の大きな特徴の一つとしては、そのチャート例の多さです。
空売り銘柄の実際のチャートを例として多く掲載しています。
チャート例はその数150以上掲載があります。
どんなチャートが弱いのか、どこで売るべきか、どこで売るべきでないのかが実際のチャートを参考にできます。
どのようなチャートが弱いのか?ということを大掴みに把握するのに参考になりました。
私は本書を弱い銘柄のチャート例集としても持とうと思っています。
今回は『オニールの空売り練習帳』を学んでみました。
本書はオニール氏の空売りの方法を詳しく学ぶことができる本でした。
個人的な学びとしては空売りの方法はもちろんですが、それ以上に守りとしてどこで売るべきか、どんな動きが弱い動きなのかのヒントが学べて個人的にはとても参考になりました。
また多くのチャート例は、参考として持っておく価値のあるもののように感じています。
確かにオニールの言うように、売りのルールと買いのルールがあってパズルは完成するものだと感じました。
オニール氏の投資を学びたい人はまず持っておきたい本だと思います。
- 売りについてのオニールの投資法がまとめられた本
- 多くの過去に実際にあったチャート例が学べる
- 特にオニールの投資法を学ぶ人におすすめの本
売りは投資というパズルの半分、売りについてもしっかり学ぼう
『オニールの成長株投資法』にはオニール氏の投資理論がまとめられていて、その中には売りの方法も掲載されています。
本書を読んでいると、重複部分はありますし、他の本と比べると、そこまで内容は多くないように感じました。
ふと、本書を読む価値は?と思って考えてみました。
結論、オニール氏の投資法を深く学びたい人におすすめの本です。
基本的なオニール氏の投資法は『オニールの成長株投資法』で学べます。
ですので、オニールの投資法を活用しようと思わない人にはそこまで必要ではないかもしれません。
ですが、本当に活用しようと思う人には必読書レベルかと。
オニール氏の投資法ではチャート読みも重要です。
売りのチャート例が沢山あり活用できます。
また売りの詳細についても学べます。
かつてオニール氏は結果を左右する要因は詳細にあるとも話されていました。
オニールの投資法をより詳細に学びたい人には読むべき本と言えると思います。
