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【銘柄研究】CCL•カーニバルクルーズの決算と今後について

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CCLとはカーニバルクルーズというクルーズ船の会社のティッカー(銘柄を識別するための企業の略称)です。

以前コロナから回復しかけていた時に、コロナからのリベンジ消費で追い風になると思って買った銘柄でした。

年初来の下げは厳しく現在、絶賛塩漬け中の銘柄です。

YouTubeでおすすめされているのを見て買ったものの、だいぶ下がってて不安な日々です。

どこまでの値段が許容されるものなのか?

ある程度は本質的価値を知らなければホールドだけでは危ない投資なのでは?

ということで今回はCCLについて調査してみることにしました。

この記事はあくまで個人的な見解を記事にしたものです。素人判断の記事です。投資に際してはご自身での情報収集、判断と責任のもとでなさって下さい。

カーニバルクルーズとはどんな会社

クルーズ船の旅を提供する世界最大の豪華客船旅行会社です。

北米、オーストラリア、ヨーロッパ、アジアで事業を展開しています。

全体のうち半分以上は北米のクルーズが占めており、ヨーロッパが約2割、アジア、オーストラリアで約2割ほどです。

コロナ禍では中国、アジア、オーストラリアのクルーズは停止していました。

日本ではダイアモンドプリンセス号が有名ではないでしょうか。

2021年の搭乗者は2019年の10分の一以下に減少しました。

コロナで苦戦を強いられましたが、このところ旅行需要は回復しつつあります。

コロナ後赤字に陥ってはいましたが、来季は黒字になる事が予想されています。

カーニバルのチャート

CCL コロナ後チャート
trading view提供チャート

コロナ前には50ドル以上していた株価はコロナで暴落。

8ドルを下回るまで落ち込みました。

一旦は30ドルを超えるまでに回復しましたが、現在はコロナやマーケットの不調の影響で9ドル近辺をうろうろしています。

カーニバルの業績

【売上高•純利益グラフ】

CCL売上高と純利益グラフ
trading viewデータをもとにグラフ作成

【表】

2017年2018年2019年2020年2021年
売上高17.5118.8820.825.591.91
純利益2.613.152.99-10.24-9.5
単位:10億ドル

コロナ禍で売上高は10分の一以下になっています。

過去の利益の数倍もの赤字がここ2年で計上されています。

考察のポイント

【ストーリー】

それまで好調だったクルーズの株価は、コロナによる一過性の要因によりは低迷しました。

ですが一過性の要因であれば、その要因がなくなれば業績は戻ることが予想されます。

今後コロナもおさまり従来通りの旅行需要が復活すれば株価が見直されるのではと予想されます。

【予約状況】

クルーズの需要動向を見る上で重要なデータポイントは予約状況です。

クルーズは高額ですし準備も必要です、思いったってすぐに行くようなものではありません。

一般的には何ヶ月も前から、又は前年から予約をとって乗船します。

予約が好調かどうかが、今後の収益を左右します。

足元の予約状況はというと

8月16日の発表でカーニバルクルーズラインでコロナ前の2倍の予約状況であることを発表しました。

それまでのコロナに対応を緩めたこともあり予約状況は好調のようです。

【リスク要因】

【コロナの動向】

コロナの動向に影響を受けます。

コロナのような予期せぬ感染症の広まりが再度起きるようなことがあれば、経営に与える影響は甚大です。

【多額の借入】

コロナ禍を乗り切るために多額の借金をしました。

借入金はいままでの何倍もの量になっています。

それと同時に毎年の支払い利息が増加しました。

2021年では16億8千万ドルです。

コロナ前の2019年の利益が29億9千万ドルでしたので、コロナがおさまったとしても今後利益を圧迫してきそうです。

CCLの借入、返済利息グラフ
trading viewデータをもとにグラフ作成
20172018201920202021
長期負債の発行と償還の差額0.760.9862.0213.46.76
支払い利息0.2260.230.2610.9671.68
単位:10億ドル

【株式の発行】

コロナ禍を乗り切るため、多くの株式を発行することで資金調達が行われました。

株式数が多くなるということは、その分会社の利益を分配する人が増えることになります。

結果、一人一人が分配を受けれる利益が少なくなります。

既存株主にはつらい措置です。

コロナ後に株式発行総数は、それまでの約2倍になりました。

trading viewデータをもとにグラフ作成
20172018201920202021
発行済株式0.7180.6960.6841.091.14
株式発行による資金調達額0003.251.22
単位;10億

【現在の株価の水準は妥当なのか?】

2020年1月17日の株価は51.9$でした。2019年の年間の配当は2$でした。

コロナ前数年の配当性向は約40%程度でした。

配当性向とは

企業が稼いだ利益のうち、配当として払い出した金額の割合。

コロナ前数年の配当利回りは約2%〜約4%でした。

コロナ後に発行株式数がおよそ2倍に増えています。

コロナ前と同じ環境で同じ利益が出せた場合、2020年の株価の半分(約25ドル)程度が一つの考えられる評価といったところでしょうか。

何もかもうまくいき、環境が戻れば25ドルまで戻すのは考えられるように思います。

今の水準から考えると約2〜3倍。

さまざまなリスクを織り込んで市場での株価評価は現在9ドル近辺をうろうろしています。

今後、薔薇色のストーリーが実現すればリターンも大きいように思います。

【リスク要因を考えてみた】

リスクを考えてみます。

コロナの影響を受けます。

再度コロナのような感染症で営業ができなくなったり、需要が落ち込むと大きくダメージを受けます。

2年で発行株式は約2倍になり、多額の借入を行いました。

次に同じような事態が起きた場合、株価は更に半減することも十分考えられます。

経営の重大な危機もありえます。

高金利

FRBは利上げをインフレ対策で利上げを進めています。

CCLの借入金には変動金利もありますし、支払い利息の増加につながります。

2021年の支払い金利が約16億8万ドルあったことを考えると、金利上昇による返済利息の増加は利益を圧迫していく要因になりそうです。

インフレによる不景気

不景気になればレジャーや嗜好品といったものの需要は抑えられやすいです。

原油高

原油高はコスト増につながります。

新規株式発行

新株を大量に発行されると既存株主のもつ株の価値は下がっていきます。

そうなると発行額によっては今の業績が回復したとしても今の水準の株価に戻らない可能性もあります。

景気サイクル

現在は好調な予約状況ですが、FRBはインフレ抑制のために金利を上げて景気を抑えようとしています。

もし景気後退となった場合に、消費者がお財布の紐を締めやすいのはレジャーや観光セクターです。

サイクルで考えれば景気からの回復期が追い風になりやすい時ですが、先行きは不透明です。

景気後退になれば次に景気が回復するまでの間、投資家の注目度は低いままの可能性があります。

【リスクまとめ】

CCLのような自前の船を持っている会社は常にメンテナンス維持などの高い固定費がかかってきます。

コロナのように船が出せない状況になるとその影響は甚大です。

また不景気の影響も受けやすいですが、FRBは利上げで景気抑制策を講じています。

コロナ禍での多額の借金、インフレによる燃料費等の高騰と今後も不透明な要因は多く、今後の業績の先行きには注意が必要です。

現状のまとめ

【現在の水準はリターンを期待できるもののリスクも大きい】

現在の水準であれば今後うまく業績が回復できれば大きいリターンを望める水準ではあるように思います。

足元では予約状況も好調なようですので、このまま何事もなく業績が回復していけばリターンも期待できるのではないかと思います。

ただ、コロナのような予期せぬリスクが発生した場合には甚大な影響があるようにも思います。

業績が悪くなった場合に倒産しなかったとしても、新株発行をしまくられてはホールドし続けたとしても株価はどんどん薄められていきます。

大量の新株発行があると、もとの高値に戻るには業績がコロナ前に戻っただけでは難しそうです。

今後業績が回復せず悪化するような場合には内容を吟味した上で、ただホールドを続けるのではなく損切も検討しようと思いました。

とはいえ現状ではコロナからの回復を前提にホールドを続けようとおもいます。

今後の予約状況や、リスク要因は注意しながら投資を続けるのが良さそうに思いました。

  • 業績回復で大きいリターンが狙える。
  • 現状では予約状況は好調
  • 今後の予約状況やコロナ動向、金利など注意する点は多くある。

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